LIU日記

映画、2時間ドラマ大好きアラフィフ主婦がテレビドラマ、映画についての感想などを書いています

【50代おすすめ映画】デンデラ(2011年)お婆ちゃんによる究極で壮絶な丁寧な暮らし

女優ってすごい!

10年以上前の映画ですが、Twitterで流れてきたのを見て、そういえば観たいと思ってた!とプライムビデオで慌てて観ました。

 

思いっきりネタバレですので、知りたくない方は読まないでくださいね。

 

物語は雪深い寒村で70歳になったら口減らしのため姥捨されるという掟のため、70になった斎藤カユ(浅丘ルリ子)は山深いところまで息子に背負われて捨てられる所から始まります。

 

カユはそこで意識を失いますが、気がつくと暖かい家で目を覚まします。

 

そこには過去に姥捨された女性たちが生きて生活していたのです。

 

カユは極楽浄土かと思いましたが、そこは今まで姥捨された老女が生き抜いて作った「デンデラ」という集落だったのです。

 

デンデラを作って長老的存在の100歳のメイ(草笛光子)が、昔話をいていて自分が姥捨された年はカユは40歳ぐらいで「40の小娘だったもんなあ」って言ってるのがおかしかったです。

 

その後デンデラの先輩婆ちゃんたちが、新入り70歳のカユを小娘呼ばわりするので、60目前だけど50代のわたくしなんて「お子ちゃま」だわと思いました。

 

デンデラの婆ちゃんたちはそれまで培ってきた生きる知恵で、雪深く食料が乏しい厳しい冬を必死で助け合いながら生活しています。

 

しかし長老のメイは家族のために長年必死で働いてきて(支えてきて)そして簡単に捨てられたことに恨みを抱いており、村を襲って皆殺しにする計画を抱いていました。

 

その気持ちがすごくわかりますし、その恨みの気持ちがあったから生き抜いてこられたのだろうなあって思いました。

 

結局、雪崩や熊の出没によってその野望は果たせずに、熊との戦いになってしまいます。

 

最後、熊と対峙したカユは熊に問います。

 

「どっちの負けだ」

 

結局カユがどうなったのかわかりません。

 

でもカユはデンデラで初めて自分で考えて自分で決めて自分で行動します。

 

それまでは村や家の掟や慣習をそのまま受け入れて生きてきただけだったのです。

 

人生は勝ち負けではないと思うのだけど、カユのデンデラに来てからの生活は決して「負け」ではなかったと思います。

 

ちょっと長いかなあって思ったけど、お婆たちが必死で頑張ってる姿を見ると自分なんてまだまだ小娘だあって勇気が出る映画です。

 

撮影は雪深い山形県庄内地方で行われ、全員ノーメークでボロボロの服を着て、下にホッカイロをつけてもちっとも暖まらなかったそうで、ほんと浅丘ルリ子さんはじめ女優の皆さん、凄すぎます!